人生を振り返るとき 2
「今は全員が均等に幸せな時代で、一人の人間だけが図抜けて幸福なのではない。
ボクも昔の社長だったら幸福感ももう少し大きかったかもしれないが、なにしろ社長も平等になったからね。
しかしそれでいいんだよ。
みんながハッピーで・・・
今は引退した年金受給者の生活だって、昔の社長並みだからね」
「たしかに時代の変化で日本の企業風土やサラリーマン社会は大きく変わりつつあり、逆にこれからのサラリーマンは仕事に生き甲斐どころか、米国並みに"食うために辛抱しなければならぬ"苦業の稼業になるでしょうね」
「そういうギスギスした冷たい企業社会は、ボクにはご免だね。
ボクは昔から碁、将棋は嫌いで、勝負事はもっぱら麻雀。
トランプもブリッジは嫌で、ポーカーならやるが、これは運やツキのあるなしからなんだ。
コントラクト・ブリッジというのは世界で愛好者が一億人といわれ国際的にも最もポピュラーなゲームだが、運やツキの入る余地が全然ない。
すべてはプレイヤーの記憶力、推理力、勝負どころにおける決断力等百パーセント実力のゲームだ。
ブリッジは愛好家にいわせれば人間の考えだした最も楽しいゲームだそうだがボクはどうも好きになれなかったね。」